留学準備3(ビザ申請・カナダの場合)

始めに

留学先が確定し、渡航日を決めると、ビザを申請しなければなりません。

私は2ヶ月ほどでビザの承認のメールを頂いたのですが、今回は私の行った手続きの詳細について書いておこうと思います。

ただ、注意が必要なのはビザ申請のシステムが毎年変更されており、サイトも少しずつ変更されているようです。なので、今後も私の手続き通りになるかどうかは分かりませんので、余裕を持ってビザの手続きを進めるようにして下さい。

あと、最大の注意ですが、カナダ人は色々なことが大雑把おおらかです。役所であっても、担当者によって言うことが違うということは日常茶飯事です。そのため、「ある人はこの書類が必要と言われたのに、他の人は必要なかった」という事態は容易に起こります。また、ストライキなども多く、ビザ申請の手続きが大幅に遅れることも十分に考えられます。(実際に現在もカナダポスト(日本郵便に相当)が2018年11月22日からストライキを1ヶ月以上行い、2019年に入っても配達遅延が続いています。そのためで現在も一部のビザ申請の承認が遅れている模様です。)

LMIA免除申請(employment numberの発行)

カナダで働く場合には「work permit」と呼ばれるビザを申請します。このビザは働く場所が分かっている人のためのビザになります。一方、配偶者は「open work permit」と呼ばれるビザを申請します。配偶者のビザを申請しなくても観光ビザで入れますが、観光ビザの上限の6ヶ月後にはopen work permitに切り替えないといけないので、二度手間かと思います。また、子供は親のビザと同一期間の「visitor record」が自動的に発行されるので、ビザは申請しません。study permitというビザもあるのですが、私の家の近くの小学校の場合は、住所を証明する書類とワクチン証明書で入学が可能です。(ただ、他の小学校がどうかは分からないので、入学予定の小学校に事前に問い合わせることをお勧めします。)

電子渡航認証(eTA)
通常、カナダに入国するにはeTAと呼ばれる電子渡航認証が必要になります。(アメリカのESTAに相当します。)ビザが承認された場合、自動的に5年有効なeTAが付随するため、別途のeTA申請は不要です。しかしながら、子供はビザを事前に申請しないので、eTAの申請が必要になります。私はこれに気付かず羽田空港のチェックインカウンターで慌ててeTAを申請する羽目になりました。ご注意ください。

work permitの種類については、よく分からない場合には留学先の秘書さんに問い合わせるのがよいかと思いますが、研究者の場合、通常は「work permit without LMIA」というビザになるかと思います。

LMIA(Labour Market Impact Assessment)ですが、分かりやすく言うと「なぜカナダ人ではなく外国人を雇う必要があるのかを説明しなさい」ということになります。この評価のために「カナダ人を雇おうとしたが適切な人材がいなかった」的な証明も必要なようで時間も手間もかかるものになるようです。しかし、研究者などの一部の職種はLMIAが免除されており、そのビザが「work permit without LMIA」です。このLMIAの免除申請は、留学先がやってくれます。この申請には私たちのパスポート番号が必要なので、留学先から問い合わせがあるかと思います。

その後、私たちはLMIA免除申請で発行される「employment number」を教えてもらい、その番号で「work permit without LMIA」を申請することになります。

いつまで経ってもacceptされない!?
LMIA免除申請ですが、最初この申請がacceptになってからビザを申請するのかと思って待っていたのですが、いつまで経ってもacceptされませんでした。留学先の秘書さんに連絡するとこのプロセスには時間がかかるから、気にせずにビザ申請をしなさいとのことでした。免除申請の時に発行される「employment number」があればビザ申請自体は可能で、最終的には普通にビザが下りたので、あまりLMIA免除申請のステータスは気にする必要がなさそうです。

Work permit申請の3つの方法

work permitの申請方法は以下の3通りがあります。

  • 自分でオンライン申請
  • カナダビザ申請センターを利用(郵送申請)
  • 代行業者を利用

オンライン申請の場合は、基本的に全ての書類を自分で準備し、オンラインで登録します。その後に問題なければ、承認のメールが届きます。その手紙を印刷して空港に持って行き、空港でビザを発行してもらうという流れになります。

カナダビザ申請センターを利用する場合は、パスポートと申請書類をマニラにあるオフィスに郵送して、ビザを発行してもらい、パスポートに添付した上で送り返してもらいます。このカナダビザ申請センターは民間業者(カナダ大使館公認)で、その郵送サービスを有料で行っている会社になります。なので、基本的に申請書類のチェックなどはしていないそうです。

最後に代行業者は高いですが、色々と相談に乗ってもらえるので安心なサービスかとは思います。

なお、現在ではオンライン申請の場合であっても、指紋採取が必要になり、東京のカナダビザ申請センターに行く必要があります。

私の場合、自力でオンライン申請をしました。確かに、所々につまづくポイントはあるのですが、何とかなりました。

Work permitのオンライン申請に必要な書類一覧

さて、具体的な申請ですが、まずはカナダ移民局のサイト(https://www.canada.ca/en.html)に行きます。

  1. 「Immigration」のタブから、「My application」を選択。
  2. 「Sign in or creat an account」というリンクを選択。(他にも色々とこのページに行く方法はありますが、要はGCKeyと呼ばれるアカウントを作成できればいいです。)
  3. 「Continue to GCKey」という紺色のボタンがあるので押します。
  4. 右側にある「Simple Secure Access」の「Sign Up」を押して「I accept」
  5. 以降は指示に従って、ユーザーネーム、パスワード、実際の名前、秘密の質問、メールアドレスなどを登録していきます。
  6. 登録が終わり、その後に出てくるたくさんの質問に対して答えを入力していくと、最後に必要書類の一覧が表示されます。

私たちの必要書類は、次の通りでした。

本人

  • Application Form(必須)
    • Application for Work Permit Made Outside of Canada (IMM1295)
  • Supporting Documents(必須)
    • Employment Reference Letter (日本の職場からの推薦状)
    • Family Information Form (IMM5707)
    • Letter from Current Employer (日本の職場の給与証明)
    • Passport (パスポートのコピー)
    • Employment Records (日本の職場の就労証明)
    • Use of a Family Member Representative for Online Applications (IMM5713)
    • CV/résumé (履歴書)
    • Marriage License/Certificate (戸籍謄本の英訳)
    • Digital photo (顔写真)
    • Employment Contract (雇用先に発行してもらったOffer letter)
    • Proof that you Meet the Requirements of the Job Being Offered (後述、私は学位記を提出)
  • Optional Documents(オプション)
    • IMM5802 Offer of Employment to a Foreign National LMIAExempt (不要)
    • Schedule 1 – Application for a Temporary Resident Visa Made Outside Canada (IMM 5257)
    • Letter of Explanation (不要)

配偶者

  • Application Form(必須)
    • Application for Work Permit Made Outside of Canada (IMM1295)
  • Supporting Documents(必須)
    • Family Information (IMM5645)
    • Passport (パスポートのコピー)
    • Purpose of Travel (後述、手紙を自分で書きます)
    • Digital photo (顔写真)
  • Optional Documents(オプション)
    • Schedule 1 – Application for a Temporary Resident Visa Made Outside Canada (IMM 5257)
    • Letter of Explanation (不要)

私は雇用されていたので職場から発行して貰う書類などもありますが、大学院生などで雇用されていない場合には必要書類が異なると思います。

IMM—-というのはすべてリンクが貼ってありPDFをダウンロード可能でした。

また、ダウンロードしてもうまく表示されない時はAcrobat readerを新しいものにするとよいらしいです。

準備に時間が必要な書類

この中で用意するのに時間がかかるものは次の4つでした。

  • Marriage License/Certificate (戸籍謄本の英訳)
  • Letter from Current Employer (日本の職場の給与証明)
  • Employment Records (日本の職場の就労証明)
  • Proof that you Meet the Requirements of the Job Being Offered (私は学位記を出しました)

Marriage License/Certificate

Marriage License/Certificateですが、日本には婚姻証明がないために、戸籍謄本を英訳する必要があります。

自分で英訳したものだけでもいいのかもしれませんが、私は一応公証人役場に、知人を連れて行って公証された書類を作成しました。公証人役場では「戸籍謄本をちゃんと英訳しました」っていう知人の宣言を公証人が聞き届けましたという証明書を作ってくます。

ということで、戸籍謄本の取得→英訳→公証とそれなりに時間がかかります。

Letter from Current Employer and Employment Records

給与証明や就労証明については職場に英語の証明書の作成を依頼をしてください。私の場合は約2週間ほどかかりました。

Proof that you Meet the Requirements of the Job Being Offered

最後の「Proof that you Meet the Requirements of the Job Being Offered」では、PhDの学位授与証明書が申請時点では手元になかったために、学部を卒業したときの学位記(Diploma)の英語版を卒業大学に発行して貰い、提出しました。

この書類として医師免許を提出しても構わないと思います。しかし、医師免許を提出した場合に、健康診断を要求されるリスクが高くなると考え、あえて学位記を提出しました。

これは、患者さんと接触する職種の場合には、カナダ大使館指定病院(東京・神戸のみ)で行う健康診断が必要なのですが、私のような患者さんと接触しない研究職の場合は健康診断は不要だからです。

その他の書類

他の書類については、用意にそれほど時間はかからないと思いますが、ここで謎な書類が妻の「Purpose of Travel」です。

説明には次のように書いてありました。

  • You must submit proof that you are coming to Canada for a temporary visit. Examples of what you can provide as proof:
    • A scanned copy of:
      • Your flight ticket departing Canada,
      • Your travel itinerary (e.g. places you will visit or stay, such as hotel booking),
      • Proof of a medical appointment.

要は「一時的な滞在なんだから、それを証明するために帰りの航空チケット、カナダでの滞在期間を示すためのホテルの予約票、病院受診しに来たんだったらその予約票を提出しろ」って言っている訳です。ただ、今回はTemporaryとは言っても年単位なので、これらの書類は提出不可能です。ネットで検索すると、同じような疑問を持つ人は世界中にいるようで、それらを参考に、次のような内容の手紙を書いて、妻が署名をした上で、スキャンしてPDF化しアップロードしました。多分、一時的な滞在ってことを説明すれば良いのではないかと思っています。ただ、これが正解かどうかは今でもよく分かっておらず、正解を知っている人がいれば教えてください。(少なくとも私はこれについては特に何も言われずに、ビザの申請が承認されました。

  • 夫の仕事についてカナダに入国するだけで、その期間が終わったら日本に帰国します。
  • 2年後の話なので飛行機のチケットはないけど、たぶんエアカナダAC005便で帰国します。
  • 夫の仕事の期間は、一緒にアップロードする夫のoffer letterを見てもらえれば、一時的って分かるはずだし、その書類を見て下さい。

PDFファイルの署名問題

IMM—-という書類の署名をどうするかに多くの人が悩むことかと思います。実際に各国の掲示板で同じ話題を見つけました。

この書類の署名欄には名前が入力できなようになっているので、印刷して手書きで署名したら良いなんて書いてある人もいますが、この欄への手書きの署名は不要です。日付のみを入力して、validateボタンを押して、アップロードして下さい。申請の最後の段階で名前を再度入力させられるところがあって、それが電子署名の代わりになるようです。

なお、IMM5713Eについては、最後だけではなく途中にもSignatureをする場所がありますが、PDF上でフォームフィールドが設定されていたので、私は普通にパソコンで入力しました。

アップロードして費用を支払えばOK

これらの書類が準備できたら、すべてオンラインでアップロードし、最後に自分の名前を入力し、クレジットカードで申請費用を支払えば手続き完了です。

私の場合、夫婦二人で510CADでした。

今は、生体認証(バイオメトリクス)として指紋採取にさらに費用がかかるようになったので、もう少しお金がかかるかと思います。

ただ、私の場合にはまだ残念ながら続きがありました。

Police Certificate(犯罪経歴証明書)を追加で要求

申請完了後16日目に「police certificate(犯罪経歴証明書)」を夫婦ともに提出するように求められました。

住民票のある都道府県の警察本部に行って、取得する必要があります。

私の都道府県の場合、必要なものは次の通りでした。

  • はんこ(認め印で可)
  • パスポート
  • 免許証(住所が住民票と同一)
  • Police Certificateを求められた手紙
  • 400円分の収入証紙

ここで少し問題があったのが、「Police Certificateを求められた手紙」というものです。

この手紙はPDFでonline上にアップデートされるのですが、そこには申請したビザの種類は記載されません。すると担当した警察官の方に、これでは発行できないと言われ、一悶着がありました。小一時間もめた結果、犯罪経歴証明書の受け取りの際に、ビザの申請書類およびoffer letterを提出してくれればいいと話で、受け取りの際に大量の書類を印刷して持参しました。しかし、結局はメインの申請書であるIMM1295とoffer letterの提出のみで十分でした。最初に担当した警察官がビザ申請について知識が全くなかったのが一悶着の原因だったようです。

なお、この犯罪経歴証明書は発行に2週間ほど必要になります。

また、封筒に入った状態で渡され、開封無効であることを説明されます。しかしながらオンライン申請のため、開封して中身をスキャンしてPDF化して送る必要があります。なので、私は問答無用で開封し、スキャンして、PDFにしてアップロードしました。この辺りは、制度が時代に追いついていないのでしょうね。

更に、問題点が起こります。

Police Certificateのアップロードの際に、document number、expiry dateというものを記載する必要があります。(数字を入力しないとアップロード自体が出来ない仕様)しかしながら日本の犯罪経歴証明書にはdocument numberやexpiry dateはありません。何が正しいのかは分かりませんが、私はdocumet numberにパスポート番号(本来は間違いなんですが、他に入力する数字が無かった為)、expiry dateは発行日+6ヶ月後の日付を入力しました。

最終的に、Police Certificateをアップロードして5日後に、work permitの承認の連絡が届きました。

なお、厳密に言えば最終的な承認はカナダの空港のCanada Border Services Agencyによって行われますが、これで一安心です。

なお、私の場合は、アカウント作成してから承認まで約2ヶ月かかりました。